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 その時、ミヤちゃんが椅子から立ち上がった。部屋の外に行くようだ。  にゃあん  ミヤちゃんは十分くらいで戻ってきた。そして、鞄の中にお財布を入れて、服をお出かけ用のに着替えて、お化粧もした。  わたしの水とご飯も足した。 「リリは夜までお留守番ね。じゃあ、いってきます」  ミヤちゃん、どこ行くんだろう…。 「彼氏のところだよ。さっきは外出許可を取りに行ったんだ。家にちょっと帰ってくるって嘘ついて」  わたしはミヤちゃんが心配で、付いて行きたいって言ったら、ロウがわたしを抱き上げた。 「今日一日は、何でも願い事を叶えてやるって言ったろ」  ロウと一緒にいると、わたしの姿も人間には見えないらしい。  ミヤちゃんがいるホスピス病棟は、大きな病院の建物の一部だから、入り口にはタクシーが何台か停まっている。  ミヤちゃんは、それの一台に乗って、駅に行った。  タクシーはすぐに駅に着いた。でも、タクシーを降りて、駅の入り口に着くまでが意外と遠かった。  それに、駅の中はとても混んでいた。ミヤちゃんは時々人にぶつかりながら、ゆっくり歩いて行く。
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