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 あの後、ミヤちゃんは電車を乗り換えて、駅からはタクシーに乗って、自分の家に帰ってきた。  わたしが逃げ出してきた家だ。  タカギ先生のところに行くのはやめにしたらしい。わたしはちょっと安心する。こっちのほうが近いしね。  ところが、家の周りに足場が組まれてシートが掛けられていた。何かの工事をしているようだ。 「何?これ…」  シートの隙間から家の様子が見えた。カーテンも畳も無くなってて、がらんとしている。 「何の工事をしてるんですか」  工事をしている人にミヤちゃんが尋ねると、解体と新築工事ですと、工事の人は答えた。 「この家の人達は…、ああ、いえ。いいです」  ミヤちゃんがスマホでお母さんに電話をかけると、すぐにつながった。  お母さんは驚いていた。  ミヤコ、今家に来てるって、どうして?ああ、連絡してなくてごめんなさい。でも、ミヤコはずっと入院してたから。 「何で勝手にこんなことしたの?私の部屋は?亡くなったおじいちゃんとおばあちゃんのものは?」  お母さんは、ミヤちゃんを近くのファミレスに来るように言った。お母さん達は、今は別の家に住んでいるらしい。 「半年のタイムラグのせいさ」  ロウが平気そうな顔で言う。 「昨日まで、ミヤコは死んでたんだ。それも半年前に。相談がなくて当たり前だ」
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