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来るように言われたファミレスで、ミヤちゃんとお母さんは向かい合って座った。もうすぐお昼時だったが、二人は飲み物しか頼んでいない。
「具合が悪いの?」
ミヤちゃんの顔を見るなり、お母さんが心配して尋ねた。
「帰ってきたら、いきなり家がああなってたんだよ。当たり前でしょ」
ミヤちゃんはこう言ったけど、顔色の悪さは、精神的なショックだけでないことは分かっている。
「ごめんね。でも、ミヤコはずっと入院してたから。あの家ね、もう限界だったの。おじいちゃんが建ててから何十年も経ってたでしょ」
「それにしたって…」
お母さんは構わずに続けた。
「これを聞いたらミヤコはもっと驚くと思うけど、あの家ね、二世帯住宅にするから」
「二世帯住宅?」
「フミコが結婚するの。式はずっと先だけど、新居は建ててしまうことにしたの」
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