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 フミコって言うのは、ミヤちゃんの妹だ。 「そう…。フミコ、結婚するんだ。知らなかった…」  ミヤちゃんは、ちょっとの間、黙っていたけど、やがて小さな頼りない声を出した。 「おじいちゃんが昔、私に作ってくれた本棚は取ってある?おばあちゃんの古い文机は…」 「ごめん、古い家具は取っておけなかった。今度の家はちょっと狭いの。ミヤコの部屋も四畳しか取れなくて…」 「部屋があるだけ良かったじゃないか」  ロウが意地悪なことを言う。  言わなければいけないことを言ってしまったと思ったのか、お母さんはもうサバサバしている。 「今、お父さんとお母さんが住んでる家はもっと狭いよ。仮住まいだからね。ミヤコが退院してきたら、びっくりすると思う。フミコはマモルさんのアパートにいるの。マモルさんってフミコの婚約者なんだけど、いい人だよ。今度紹介するね」
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