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6.
その後、ミヤちゃんはまた電車に乗った。でも、その電車は病院に帰る方向のものではない。
そして、全然関係ない駅で降りた。体が辛いらしくて、しばらく駅前のバス乗り場のベンチに腰かけていたけど、やがて立ち上がって歩き出した。
ミヤちゃん、どこに行くつもりだろう。
ロウは涼しい顔をしている。
ミヤちゃんは、駅前の賑やかな通りを抜けて、住宅街の中の道路をずっと歩いて行く。そのうち小さな商店街に入ったが、それも通り過ぎて、お寺の前と小さな町工場の前を通って、橋にたどり着いた。
橋が架かっている川は、まあまあ大きかった。川幅は約三十メートル。両端の防波堤の上が遊歩道になっている。
ミヤちゃんは、その遊歩道をふらふらと歩き始めた。
空は真っ青に晴れていて、都会の街の中なのに、遊歩道にはミヤちゃんの他に誰もいない。
川には何本も橋が架かっているのが見える。遊歩道のところどころに置かれているベンチで休みながら、ミヤちゃんは次の橋に到着した。
その橋は、さっきの橋よりも大きくて、高さもあった。
ミヤちゃんは橋の真ん中まで来ると、そこで立ち止まって、しばらく川を見下ろしていた。
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