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 ミヤちゃんはぴくりとも動かない。  ロウはあくびなんかしている。  わたしはミヤちゃんの顔をのぞき込んだ。  ミヤちゃんは、私が今まで見たこともないような、暗い目をしていた。  ああ…。  ミヤちゃん、苦しいんだ。泣くこともできないくらいに。  ごめんなさい。  全部わたしのせいだ。  わたしがミヤちゃんを生き返らせたから。  ミヤちゃんがこんなに辛い思いをするなんて思わなかったの。  ごめんないさい。ごめんなさい…。  私はすっかり動揺してしまった。 「お願い、ロウ。ミヤちゃんを助けて。生き返る前に戻してあげて!」  泣きわめく私を見て、ロウはにやりと笑った。 「そう言うと思ってた」 「なにそれ…」  こうなることが分かってたの?  分かってて、今まで何も言わなかったの?  だとしたら、ロウはやっぱり悪魔だ。 「一度生き返らせた人間をまた殺すのはとても難しいことだ。今日一日、リリの願い事は何でも叶える約束ではあるけど、これはただじゃできない」
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