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7.
「で、リリの願い通りにしてやったのか?」
「いや。しなかった」
時折、ロウがわたしを撫でる。
わたしはロウの膝の上で、うとうとしていた。ロウが私を眠らせたのだ。心が乱れすぎている状態は良くないとか言って。
ロウと話しているのはルイだ。二人が話している内容は、眠くてよく聞き取れない。
「何度も生き返らせたり殺したりするのは良くないから、それ自体は賛成だ。でも、代償を受け取ったのに、願いを叶えなかったということになるのでは?」
「その通りだ」
ロウがくすくす笑う声が聞こえる。
「リリが世間知らずの馬鹿な猫で良かったよ」
ひどい。
でも、撫でられるのは気持ちいい。
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