パワースポット

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「優里!」 ワンコールで出た。 「ふふ、早すぎ!」 思わず笑ってしまった。 「優里、今どこ?」 「宏樹こそ、何処へ向かうつもり?」 「沖縄」 「え?」 「さっき、優里が働いてた鹿児島支店へ行って、店長さんと話した」 「えー?」とても驚いた。 「ごめんな、もっと早く話すべきだった」 「ううん。ちゃんと聞く! もう逃げない!」 「ありがとう」 「でも、その話を聞いたら、私は泣く?」 「う〜ん、もう泣かせたくはない! だから、ちゃんと全部聞いて欲しい!」 「そっか! 分かった。ちゃんと聞くよ」 「ありがとう」 「何時に着くの?」 「今、橋を渡ってるから、もうすぐ着くよ」 「橋?」 「そう、タクシーで、今、長〜い橋を渡ってるよ」 「え? もう沖縄に着いてるの?」 「そうだよ。もうすぐ古宇利島だよ」 「え、嘘!」 「本当だよ、俺も朝一の飛行機で鹿児島へ来た」 「そうなの?」 「うん。で、店長さんに、ついさっき出たとこだって聞いて」 凄いと思った。 どうして分かったのだろう? 宏樹には、私の考えることが全て分かってしまうのかなあ〜やっぱりソウルメイトだと思った。 逢いたい! 宏樹に早く逢いたい!
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