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〈優里は? 違った?〉
どうして、そんな事を聞くのよ!
辛かったに決まってる。宏樹の為だと思って、離れてまで忘れようとしたのに……
でも、忘れられるはずもなく、今も1人で居るのに……
〈そうだね。でも、前を向いて進むしかなかったから……〉
〈ごめんな、俺のせいで。でも、もうこれからは、親の言いなりになんてならないよ! だから、優里! もう一度、俺とやり直してくれないか?〉
──え!
とても驚いた! もちろん嬉しかった。
〈でも、また同じことの繰り返しなんじゃないの? 私じゃダメなのよ! きっと……また引き離されるよ〉
〈あの頃は、俺も若かったから言い返せなかった。
だから、優里と離れることになってしまって、凄く後悔した。でも、今は違う! 俺の人生なんだから、パートナーぐらい俺が決める!〉
そう言われたら、又、心が動かないわけがない。
それに何の疑いもなく、今も1人なんだと思ってしまった。
でも、もしかすると、彼女ぐらい居るかもしれないと思って確認した。
〈付き合ってる彼女は、居ないの?〉
〈居ないよ〉
今思えば、彼女では、ないものね。妻なんだものね……
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