408人が本棚に入れています
本棚に追加
付き合って2年が過ぎた頃
20歳になった私は一足早く専門学校を卒業し、大手チェーン店のケーキ屋さんに就職した。
社会人となり、少しずつ社会勉強をすることとなった。
学生だった頃とは、違って朝から夜遅くまで働いて、ヘトヘトになっていた。
でも、そんな私を大学3年になった宏樹は、優しく癒してくれた。
〈お疲れ様。大丈夫?〉って、いつも心配してくれて、週末に会った時は、職場であったことをいっぱい話して、宏樹にいっぱい癒してもらっていた。
その代わりに、宏樹が試験勉強で大変な時は、
「逢うの、我慢するよ」って言ったのに、
「俺が我慢出来ない! 逢いたい!」って……
だから、宏樹のマンションまで行き、食事の用意だけをして、邪魔しないようにした。なのに、それだけでは済まなかったけど……
そして、更に2年の月日が流れ、宏樹は、無事に大学を卒業した。いよいよ就職。
1年前から『親父の会社に就職する!』と聞かされていたので、驚きもしなかったけれど、そこからが大変だった。
社長であるお父様の指示で、宏樹の身辺調査をされていたようだ。当然、私とお付き合いしていることは、すぐに分かったはず。
そうとは知らず、宏樹は私に、
「もう付き合って4年も経つし、これからは俺も社会人として働く。優里! 来年には、結婚しないか?」と……
「え?」
突然のプロポーズにとても驚いた。
でも、凄く嬉しくて、私も結婚するなら、宏樹以外考えられない! と思っていたから、嬉し過ぎて周りが見えなくなるくらい舞い上がっていた。
最初のコメントを投稿しよう!