同窓会

7/7
前へ
/57ページ
次へ
ホテルに到着し部屋に入り、ようやく頭の中のぐちゃぐちゃになったものが落ち着いたのか、美沙の言うことが理解出来た。 スマホで検索すると、宏樹と奥様の結婚式の写真が出て来た。 「へ〜そうだったんだ……綺麗な人だね」 1人つぶやく。脱力感が凄い。 すると、宏樹から電話が鳴った。 今は、何も話したくないから拒否した。 そう言えば、宏樹この前、何かを話そうとしてたなあ〜帰ったら大事な話がある! ってコレのことだったのかなあ〜 あのプロポーズは、なんだったんだろ? 「結婚してたなら、私とは出来ないじゃん!」 ようやく涙が流れた。 「二度と離さない! って言ったのに……結局、親の言いなりになって、結婚してたんじゃん!」 「バカだなぁ〜私……」 翌朝、1番の便で飛び立つので、お風呂に入ってすぐに眠ることにした。 泣き疲れたこともあり、すぐに眠れると思ったが眠れるはずもなく、そのまま朝を迎えた。 早朝、支度をしてホテルをチェックアウトし、空港へ向かった。 鹿児島支店でお世話になったスタッフさんにグループメッセージを送り、今から向かうことを伝えると、皆さん〈会えるのを楽しみにしてるね〉と喜んでくださった。 そして、2時間ほどのフライトで到着した。 久しぶりの鹿児島。空港からは、タクシーで移動した。お店のオープン時間前に到着してしまうので、寄り道をして観光場所を回ってもらった。 神社、展望台、温泉郷…… 「こんなに綺麗な場所があったんだ」 以前は、たった半年間の出向だったし、ゆっくり観光をする暇もないくらい忙しく過ごしていた。 とりあえず、神社で、心願成就を願いお参りさせていただいた。 ──私の知らないことなんて、まだまだいっぱいあるんだな
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

411人が本棚に入れています
本棚に追加