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ホテルに到着し部屋に入り、ようやく頭の中のぐちゃぐちゃになったものが落ち着いたのか、美沙の言うことが理解出来た。
スマホで検索すると、宏樹と奥様の結婚式の写真が出て来た。
「へ〜そうだったんだ……綺麗な人だね」
1人つぶやく。脱力感が凄い。
すると、宏樹から電話が鳴った。
今は、何も話したくないから拒否した。
そう言えば、宏樹この前、何かを話そうとしてたなあ〜帰ったら大事な話がある! ってコレのことだったのかなあ〜
あのプロポーズは、なんだったんだろ?
「結婚してたなら、私とは出来ないじゃん!」
ようやく涙が流れた。
「二度と離さない! って言ったのに……結局、親の言いなりになって、結婚してたんじゃん!」
「バカだなぁ〜私……」
翌朝、1番の便で飛び立つので、お風呂に入ってすぐに眠ることにした。
泣き疲れたこともあり、すぐに眠れると思ったが眠れるはずもなく、そのまま朝を迎えた。
早朝、支度をしてホテルをチェックアウトし、空港へ向かった。
鹿児島支店でお世話になったスタッフさんにグループメッセージを送り、今から向かうことを伝えると、皆さん〈会えるのを楽しみにしてるね〉と喜んでくださった。
そして、2時間ほどのフライトで到着した。
久しぶりの鹿児島。空港からは、タクシーで移動した。お店のオープン時間前に到着してしまうので、寄り道をして観光場所を回ってもらった。
神社、展望台、温泉郷……
「こんなに綺麗な場所があったんだ」
以前は、たった半年間の出向だったし、ゆっくり観光をする暇もないくらい忙しく過ごしていた。
とりあえず、神社で、心願成就を願いお参りさせていただいた。
──私の知らないことなんて、まだまだいっぱいあるんだな
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