パワースポット

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パワースポット

そして、私は鹿児島支店へと向かった。 「こんにちは〜ご無沙汰しておりました」 「あ〜優里ちゃん! 久しぶり〜」と、中に居たスタッフさん達が皆さん出て来てくださった。 お客様がいらっしゃったので、中へ入るよう言われ、 スタッフルームへ入れていただいた。 「うわ〜優里ちゃん、また綺麗になったんじゃないの?」 「いえいえ、全然変わらないですよ」 「いや〜何年ぶり?」 「あ〜もう3年半かなあ?」 「会いたかったわ〜嬉しい! 元気そうで良かったわ。今回は観光?」 代わる代わる声を掛けてくださる。 「はい! 突然思い立って。あ、これ良かったら皆さんでどうぞ」 慌てて空港で買ったお土産だ。でも、東京の物だから、皆さん喜んでくださった。 「うわ〜ありがとう〜嬉しい〜!」 ただ1人、女店長の永里(ながさと)さんだけは、違った。 「お帰り!」と、冷静に微笑みながら言ってくださった。 「ただ今です! その節は大変お世話になりました」 「そうだね〜でも、また何かあった?」 「え?」 「悲壮感漂ってるよ」 「相変わらず、永里店長は、鋭いなあ」 5歳年上の何でも話せるお姉さんのような人だ。 「私の目は誤魔化せないよ! もう少ししたら、お昼行くからちょっと待ってて」 「はい、ありがとうございます」 前回、出向で来た時も、私の顔が『悲壮感漂ってる! 』と言った永里店長。 今回は、見抜かれないように必死で隠していたつもりだったのに、突然来たことが、まずおかしい! と勘繰っていたようだ。
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