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永里店長のお昼休みに、一緒にランチを食べながら、
「で? 何があった?」と……
私は、東京に戻って、宏樹と再会してから今までの状況を話した。
ふむふむと頷きながら、時折、驚いた顔をしたり、険しい顔をしたりしながら、ランチを食べる永里店長。
「なるほど〜そりゃあ前回に輪をかけてダメージが大きいね」
「はい。どうすれば良いのか分からず頭を冷やしに来ました」
「私に会いに来てくれたのね、嬉しいよ!」
「ハハ、本当は、そうです」
「そっか、じゃあ私はいつも通りハッキリ言うね!」
皆んなは、オブラートに包んでハッキリ言わない。
でも、永里店長は、歯に衣着せぬで、何でもストレートに言ってくれるから信じられるのだ。
「はい! お願いします」
「まず、彼自身になぜ確認しなかったの?」
「え、なんだか怖くて……」
「他人から言われたことを全部鵜呑みにして信じるの? まあ、ニュースにもなってたから、結婚のことは、私も知ってたよ。でも、本人の口からは何も聞いてないんだよね?」
「はい」
「大事な話がある! って言ってたのなら、ちゃんと向き合って全部最後まで聞いてから判断しなきゃ。他人の噂ほど怖いものはないよ。もしかしたら、不倫かもしれないし、でも、もしかしたら、違ってて何か他に真実があるのかもしれないし……本人にしか分からないことなんて、いっぱいあるよ」
永里店長は、色々な経験をされて来たのだと思った。
「人間なんて都合の悪いことは隠したがる。でも、本当に必要な物を手にする為には手段を選ばない!
それが彼にとっては、優里かもしれないね。
プロポーズされた時、『今の会社に居ないかもしれないけど良いか?』って確認されたんだよね? それって優里との生活を守る為に今の地位をも捨てる覚悟なんじゃないの? 本来なら次期社長は約束されてるんでしょう?
そこまでして、優里と居たい! って思ってるんじゃないの? 以前、優里がココに来た時、東京の本店から『彼氏が優里を探してるから、絶対会わせないで! 』って連絡があったわ」
「え? そうだったんですか?」
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