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午後からの便で夕方には、那覇に到着した。そして、
空港でレンタカーを借りた。
ホテルに行くのも、海へ行くのも車がある方が便利だと思ったから……
借りるのに、少し時間がかかった。
──もう暗くなっちゃうなあ〜
そのまま、私は、ナビを設定した。高速を使っても1時間半かかる。すぐに目的地の海まで車を走らせた。
海を渡る2キロもある長い橋を爽快に走り、
2つの岩が重なってハートに見えるハートロックがある島古宇利島へ
到着した頃には、すっかり日が沈み薄暗くなっていて、誰も居なかった。1月だから、さすがに夜は少し肌寒い。
貸切状態で、ハートに重なって見えるポイントで写真撮影する。
「明日、また、昼間の海も見に来ようかな」
すでに、星空が綺麗に現れていて、それを見ただけで以前、宏樹と来たことを思い出し涙が流れた。
──この景色が見たかったんだ!
でも、出来ることなら、もう一度、宏樹と一緒に見たかった。
そう思うと、止めどなく流れる涙。
でも、永里店長に言われたことを思い出した。
『まずは、相手の話を聞くこと!』
私は、スマホを取り出した。
切っていた電源を入れると、昨日から何度も宏樹から着信があったようだ。
メッセージもいっぱい届いていた。
〈優里! どこに居るの?〉
〈会いたい! 会って話がしたい!〉
〈黙ってたこと、全部話すから、お願い! 話す機会を与えてください!〉
〈今からそちらへ行く! 待ってて!〉
「え? そちらって何処か分かってるのかなあ?」
思わず、電話をかけてしまった。
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