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「ごめんな、ごめんな」
強く抱きしめながら、何度も謝る宏樹。
まだ、何のことかは、分からないから、何も言えなくて、ただ逢えた嬉しさで涙が流れた。
やっぱり、私は宏樹に逢いたかったんだ。
「ちゃんと聞くから、全部話して!」
「分かった。とりあえず、優里、寒そうだから車へ行こう!」
「うん。よく分かったね、レンタカー借りたって」
「そりゃあ、そうでしょう。そこに、1台だけレンタカーが停まってたし……俺も借りようか迷ったけど2台になっちゃうから、タクシーで来たんだよ」
「凄いね! 探偵になれるかも……」
手を引かれ、浜辺から少し坂を登って、駐車場へ
「大丈夫?」と助手席に座らせてくれた。
「うん、大丈夫」
そして、運転席に座った宏樹は、政略結婚のことを話してくれた。
でも、それは、実は、美紀さんとの契約結婚で、籍が入っていないし、美紀さんには恋人が居て、赤ちゃんが生まれたので、彼氏さんと入籍して、今は、あのマンションに仮住まいさせていると……赤ちゃんは、1歳になる女の子で、あの時私が働くケーキ屋さんで買ったケーキは、その子の誕生日のお祝いだったと……
次から次へと、驚くことばかり。
最後には、去年入社した弟に会社を継がせる為に育てていること。
だから、会社から離れて私と結婚したい! と言ったこと。
それに、美紀さんから昨日、私がマンションを訪れたこともを聞いたようで、包み隠さず、全部、話してくれた。
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