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心配で、憂鬱な顔をしていると、
「優里は、何も心配しなくて良いよ。大丈夫だから……あのね、さっき『どこから来るの? その自信は?』って聞かれたから応えるよ」
「うん」
「まだ、ハッキリ決まっていないから、他人には言えないんだけど、優里は俺の婚約者だから話すね」と、初めて宏樹が私に仕事の話をしてくれた。
でも、スケールが大き過ぎて、よく分からなかった。
やっぱり聞かなきゃ良かったとも思った。
唖然とする私に、
「ね? 大丈夫でしょ?」と……
「よく分からないよ。でも、宏樹って凄いんだね」
「いや〜優里に褒められるのが一番嬉しいよ」
このプロジェクトを進める為に、毎晩遅くまで仕事をしてたんだ! と思った。
「宏樹、カッコイイ〜!」
「そうか? 優里との生活を守る為なら、なんだって出来るよ」
じっと見つめ合う。宏樹のスイッチが入ったのが分かった。私の髪を撫でて、ニッコリ笑って……
「帰ろうか?」
「うん」
ホテルまで歩いて数分。ぎゅっと繋がれた手は、宏樹の上着のポケットに入れられ繋がったまま並んで歩く。
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