顔合わせ

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とにかく、父も母も宏樹の行動力に驚き、とても有り難い話だと喜んだ。 結婚した後は、私には、基盤となる両親のお店の味を監督して欲しい! と…… 今のお店を離れることになるのは、寂しいなと思っていたら、今のお店を本店にリニューアルするのだ! と……本当に驚くことばかり。とても楽しそうだから喜んで引き受けた。 もし、子どもが出来ても、実家の両親が居るお店なら融通も効くし、楽しそうだと思った。 結婚も仕事も一気にまとまり、驚くほどに、トントン拍子で進み、まるで夢の中に居るようだと思った。 家に帰ってから、 「ね〜」 「ん?」 「私、こんなに幸せで良いのかなあ?」と宏樹に聞いてみた。 「良かった! 幸せって思ってくれるなら」 「どうしよう! 幸せ過ぎて怖いよ」 「ハハ、何言ってるんだよ。これから、もっともっと幸せにするよ。いっぱい迷惑かけて、辛い思いをさせたんだから……」と抱きしめられる。 「宏樹〜!」と、宏樹の頬をつねってみた。 「痛っ! 何?」 「夢じゃないね」 「えー? 夢じゃないよ! しかも、こういう時、自分の頬をつねるものでしょう? ハハ」 「だって、本当なら痛いじゃん」 「ハハ、そうだけど……」 「ふふふ、良かった! 夢じゃない! ありがとう」 「うん。だから、この痛い頬にチューして! そしたら治るから」 チュッ 「嬉しい〜!」 「ふふふ」 「お返し」チュッチュ 「ああ、もういい〜ってば〜」 いつもこうなる……
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