引っ越し

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次々に家具が揃ってきて、新婚夫婦のようなお部屋が出来て来た。 「キッチングッズも優里の好きにして良いよ」って言ってくれたから、1から全部好きな物ばかり揃えられた。 「料理全くしなかったの?」 「うん。だって優里の好きな物を揃えて欲しかったからね」 「それは、嬉しいんだけど、本当かな? 宏樹、もともと料理全くしなかったんじゃ?」 「あは、バレた? 出来ない!」 「あ〜! 開き直った!」 「だって、優里のご飯美味しいから」 「でも、将来、宏樹もケーキ屋さんするなら、少しずつ覚えようね」 「そうだな、展開するにしても必要だな! 分かった。教えてね」 「うん。了解!」 凄く幸せだと思った。 宏樹にぎゅっと抱きついて、「幸せ」と言うと、 「俺も幸せ〜」と抱きしめてくれる。 ──あ〜以前のように、宏樹に抱きしめられる幸せ。これが恋人。婚約者なんだよね〜 ニヤニヤが止まらない。 「優里〜」 「ん?」顔を見た。 「結婚……しような」 急に真面目な顔で言うから、驚いた。 でも、嬉しさの方が優っていたから、 「うん」と、笑顔で応えると、今までで一番優しいキスが落ちてきた。
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