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「はい! ありがとうございます。メッセージとロウソクは、如何致しましょうか?」
「あ〜姪っ子の誕生日なので、このメッセージチョコには、『おめでとう!』とだけ、ロウソクは1本だけピンクのを」
「かしこまりました」
──そっか、今日11月10日は、姪っ子さんのお誕生日なんだ。
そう言えば、2つ下に弟さんが居たはず。弟さん結婚されたんだね。
そう思いながら、メッセージチョコに文字を書いて宏樹に確認してもらう。OKが出たので、ピンクのロウソクを1本付けて箱に詰める。
「お待たせしました。ありがとうございました」とケーキを手渡す。
すると……私に名刺を差し出す宏樹
思わず受け取ってしまった。
「番号、変わってないから。もう一度、登録しておいて! 後でメッセージ送るから」
きっと削除したと思われたのだろう……
「え、あ、ありがとうございました」
他のスタッフの手前、私は誤魔化すように、名刺を手の中に隠しながら、もう一度お礼を言った。
「じゃあ、ありがとう」と、宏樹は左手を挙げて、
にこやかに店を出て行った。
エプロンのポケットに、スッと名刺を隠した。
「何? あのイケメン! 知り合い?」
「え、あ、まあ……」
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