復縁

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宏樹は、俗に言うイケメンだ。 3年ぶりに見た彼は、ビシッとスーツを着こなし、 イケメン度が加速していたから、私もドキッとした。 「ふ〜ん、コレは訳ありね。あとでゆっくり〜」と、隣で笑う同僚の未知瑠ちゃん。 ──そっか、宏樹、未知瑠ちゃんには会ったことがなかったな 最後のお客様が帰られ、21時前、閉店の準備をする。 厨房には、店長さんとパティシエさんが居て、店舗フロアには私と未知瑠ちゃんだけ。 片付けをしながら、 「で?」と問いかける未知瑠ちゃんに、先程のイケメンが3年前に別れた元カレであるということを告げた。 「え! そうなの? なるほどね〜あんなにイケメンなら、そりゃあ忘れられないよね〜?」 イケメンだから、忘れられなかったわけではない。 結婚まで考えていた相手だもの。ずっと一緒に居ると思っていたからだ。 未知瑠ちゃんとは、同じ歳で、お店のオープン時から一緒に働いているので、もう5年の付き合いだ。 なので、お互いの過去の出来事も話していたから、すぐにアノ半年間、私が鹿児島へ行く羽目になった原因だと察したようだ。
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