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夕焼けで景色が朱く染まっている。僕の前を二人の少女が歩き、僕は瓜二つな二人の後ろ姿を眺めながら帰路に着く。
漫画みたいな話だけど、僕には美人の幼なじみがいる。言うまでもないかもしれないけれど、僕の前を歩く二人がそうだ。
幼少期にそのどちらかと結婚の約束をした。
ただ、問題はーー。
「一とー《ちょうおん》って見分けがつかないよね」
思わず、僕はそうぼやく。
すると、二人は一斉に振り向いて、「いきなり、どうしたの?」と鈴を転がしたような声が重なる。僕を大きな黒い瞳でじっと見つめている。
白い肌、鼻筋が通った鼻、血の気の良い赤い唇、ほんのり紅色の頬、何から何まで瓜二つだ。
漫画みたいな話なら、幼なじみである主人公は何故か見分けがつくのだろう。
だけど、僕には見分けがつかない。漫画の中の主人公は何で見分けがつくの? って問い詰めたくなるほどに。
幼少期も見分けはついてなかったと思う。僕は誰と、そして、何で結婚の約束をしたのだろう……。
全く思い出せない。
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