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おおよそ食事を終えた一行は、そろそろ動き出そうとする気配を見せる。とはいえ、まずは、彩佳の動向を気にしている様子だ。おもむろに、最年長のメンバーが皆に向かって問いかける。
「えーと、皆さーん、午後は、無理に一緒に行動しなくてもいいんじゃないかと思います。これまでに、“気になった人”も見つかったと思います。せっかく上の人たちが用意してくれた機会ですので、1対1でどんどん動いてください。」
陰で女性陣が失笑する。
「彩佳さんしか見てないじゃん!」
すると、真っ先に席を立ったのが彩佳であった。それを見た男性陣も、”すわっ“とばかりに一斉に立ち上がる。そんな彼らを尻目に、彩佳は、辰也にも腰を上げるように促し、
「このあと、私とご一緒してもらってもいいですか? 私、どちらかというと“絶叫系”よりも、緩~いのがお気に入りなんです。そうだな、○○へ行ってみませんか?」
と声を掛けながら、彼に寄り添う。
唖然とする男性陣。しかし彩佳は全く気にする素振りもみせずに、そのまま歩みを進め、お目当てのアトラクションの方向へと消えた。
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