恋の神様がくれた飴

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「ねっ」なんて頭を撫でてくるところなんて 私が年下みたいな気分にもなる でも言い返さなかったのは 明日も会えるって嬉しかったから 家に帰ると、妹の部屋から灯りが漏れていた コンコン「みよ」 「なに?」 眠そうな顔でパソコンと睨めっこしていても可愛い 「程々で寝なさいよ」 「うん分かってるって」 「「おやすみ」」 小六で家を出たみよが中二で戻って来ると知らされた日 父は二階で一番広い部屋にみよの好きな家具を入れた そこに柔らかなピンクを取り入れて 可愛らしい部屋にしたみよのセンスはいつ見ても感服 こういうとこが私にはない 飾りっ気のないシンプルな部屋に入り ふぅっとため息を吐き出した ベッドに寝転がり唇に触れる 「私のこと」 ・・・好きな人の前とか ・・・恋愛成就とか ・・・抱きしめたり、キスもした でも付き合ってとは言われてない たくさんのことが一度にやってきて眠い 化粧したまま眠っても許される歳を過ぎた所為で 眠い目をこすりお風呂に入ると 髪も乾かさずにベッドに沈んだ 。 何度も鳴る着信音に気付いたのは 九時を過ぎたころ (えりさん。おはようございま〜す) 耳に飛び込むハイテンションの土居の声にも 「・・・まだ眠い」 目が開かない (後、一時間で迎えに行きますね) 一方的なそれは既に切れていた ・・・は?強引だよね 考える余裕もないまま 鏡に映る山姥のような姿に 「・・・っ」 慌てて階段を駆け降りた シャワーを浴びてリビングルームに入る 「おはよう。みよは?」 朝ご飯を用意している母に声をかけた 「院長先生が迎えに来て。出かけちゃったわよ?」 「そう」 内心ホッとした。土居が迎えに来た時にみよが居ると間違いなく追求される 付き合いが確定するまでは話せない ・・・というか 遊び人の青野彬とお試し期間が終わって別れたみよは 間も開けずに今度は柴崎総合病院の院長、柴崎進と付き合い始めた お試しにしてはハイスペック過ぎるとは思ったものの みよに言わせれば“おじさん”の付加価値らしい どちらにしてもみよが後継者にならないのは確定だと思う 「えり、車に乗って帰らなかったの?お酒飲んだ?」 「・・・う、ん。会社の裏に止めたままなの。今日取りに行くから」 「そう。週明けにお父さんと一緒に出勤なら取りに行かなくても良いんじゃない?」 母の話は終わりそうもなくて 支度を急ぐために立ち上がり 「いいの」 コーヒーを飲み干して部屋に戻った
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