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「フウはこれからどうしたい? 二十歳になるまで何をしたい?」
「どうって……神罰なんて嫌だし、どうなっちゃうのかわかんなくって、怖いよ……」
「……どんなに努力しても、結末は変わらないかもしれない。全てが徒労になってしまうとしても、小さな可能性に賭けて、神罰から逃れる術があるか探してみる気はあるか?」
「何をすればいいの?」
「R大陸の王都フィラディノートに、不老不死を実現したとされる魔法師がいる。以前、フィラディノートの王立軍に所属していた折に知り合った。彼女を紹介するから、しばらくそこで魔法を学んでみないか」
魔法を学んだところで、神罰から逃れる術など見つかるとは思えない……ソウジュ様だってそれはわかっていましたが、試案すらせず切って捨てるだけなんて。万に一つでも可能性があるのなら模索するべきなのではないか。
それだけソウジュ様にとってフウ君は大切な存在になっていて、失いたくなかったのです……。
「やれることがあるんなら、やるよ。その日を迎えるまでただただ怖がって、何もしないでいたって仕方ないもん」
こうしてフウ君は、R大陸の権力者達には著名な賢者、ミモリ・クリングルの弟子となりました。
「コウはどうするんだ?」
「フウ、ひとりで大丈夫? 一緒に行く?」
「そーいうのいいから! ひとりで行ける! コウはここにいて、お父さんの家を守ってろよな。兄なんだから。それが定番だろ?」
この時代はまだ、兄弟の上の子が家を守るのが普通でした。下の子は、大人になったら家を出て新しい家庭を作る……。
「定番……まあ、そうかも」
実際、アルディア村でもそういう理由で家を、村を出た人は珍しくない。コウ君だってそんなお別れの光景を何度も見てきました。
フウはこの家が大好きだから、自分の問題を解決出来て戻ってきたらここに住みたいだろうな。それまで家を守ってあげよう。コウ君はそう決めて、アルディア村に残りました。
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