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子供部屋の時計が規則正しく時を刻む音が聞こえてきた。その時計の数字の年月日を見ると、今日が私たちの七歳の誕生日であることを示していた。
つまり、この体は七歳。
私たちが一度死んだのは事実で、なぜか死んでから時間が巻き戻ったことになる。
「私たち、七歳の頃に戻ったっていうことかしら?」
「たぶん、そーなんじゃないかな? 神様が僕たちに人生をやり直して生き延びるチャンスをくれたのかもしれないね」
「生き延びるためのチャンス……」
「誰かが僕たちが生き返ることを神様に祈って、その願いが通じたってところかな」
「お兄様も声を聞いたの?」
「ああ」
暖かい光と声。
あれは私だけにもたらされたものではなかったのだ。
私だけが体験していることなら、信じられず、きっと頭がおかしくなったか、夢でも見ていたんだって思って終わりだったはずだ。
でも、私と同じことをお兄様も同じ体験をしている。
だから、私たちがクラウディオ様に殺されたのも、一度死んだのも、夢ではない。
現実に起きたことなのだ――死の瞬間を思いだし、ぶるっと体が震えた。
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