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眩しい光が窓から差し込み、部屋の床を照らす。
窓ガラスに映る私は寝間着姿で、手にテディベアを持っている。子供の頃、お気に入りだったテディベアは赤いリボンつき。
抱き締めるとふかふかして安心できた。
懐かしい――ってそうじゃない。
「私の手足が縮んでいる?」
私が抱き締めているのは大きいサイズのテディベア。だけど、十六歳の私が持つと、もっと小さく見えたはずだ。
私の顔とテディベアの顔がご対面するのはおかしい。
「どうなってるの? この姿はなにっ? 子供? 子供になってる!」
それだけじゃない。
燃えていた王宮は以前のままの形を留めている。
そして、窓の外は見慣れた湖と森、さらに遠くには畑が広がり、羊や牛、馬が平和に草を食んでいる。
燃えていたはずの木々は青々とし、兵士が浮かんでいた湖面は朝の光を反射させ、鳥の家族が列を作って浮いている平和な光景。
「なにが起きたの?」
「んー? おかしいな? 首を切られたはずなのに首と胴体がつながっているぞ」
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