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「同じく。ブチギレのクラウディオに最後に首をチョン切られた。僕がクラウディオを裏切ったなんて言われてね。あと、ふざけた態度も気に入らないって言われたっけ」
あー、やだねぇと言いながら、お兄様は首をさすっていた。
その態度がクラウディオ様を一番怒らせたのではと思わなくもない。
そこはちょっと否定できなかった。
「私はクラウディオ様に裏切り者って呼ばれて、剣で胸を貫かれて……」
クラウディオ様の冷たい目を思い出し、寒気が走った。
あれは夢なんかじゃない。
まだ殺された生々しい感覚を覚えている。恐怖でガタガタと震え出した体を押さえるため、テディベアをきつく抱き締めた。
「妹よ。安心しろ。どういうわけか僕たちは生き返ったようだ」
「この状況でどう安心できるっていうのよっ!」
「少なくとも僕たちは生きている。死んだけど死んでいない」
「そ、そうだけどっ……」
混乱し、青ざめた顔をしている私と、すでに状況を呑み込んで適応しつつあるお兄様。鏡の前に並んで立つと、性格はともかく双子の私たちは黒目黒髪、顔も背格好も似ている。
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