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森の奥の小さな村で、人々は静かに暮らしていました。
雨の日もあれば、晴れの日もある。
暑い日もあれば、寒い日もある。
そんなちょっとした変化だけが、この村の特徴でした。
外の世界から見れば、なんの特徴もない村ですが、村人たちは、外に出たことがないので、自分たちが「なんの特徴もない」ことすら気がついていませんでした。
そんなある日、山に赤ん坊が捨てられていました。
村人たちは突然の出来事に驚きました。
ただ、そのままにしておくわけにもいかなかったので赤ん坊を抱きかかえて村に帰りました。
赤ん坊が捨てられていることなんていままで見たことがない。
誰に聞いても分からなかったのでみんなで育てることにしました。
そもそも、この村は結婚の制度もないので、ほぼ村人全員が親なので、困ったことでもなかったのです。
「ヤマ」と名付けられたその子はすくすくと育っていきました。
雨の日、晴れの日、暑い日も、寒い日、朝、夜、
毎日を繰り返す中で、ヤマは少しずつ、疑問を抱くようになりました。
「何かおかしい」
日に日に、その疑問は大きくなっていきます。
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