機械仕掛けの蛙

昔々の話をしよう。ある所に二つの王国があった。人間の住むグリム王国と、機械の体を持つ機械人が住むモア王国。二つの国は長らく戦争をしていたがそれも人間側の勝利で終結し数十年、それぞれ穏やかな日々を取り戻していた。人は安心を求めて、農作業や畜産業を再開し自給自足の生活を。機械人は工場で自分たちの仲間を作り続け、自分達の持たない心というものを求めた。未だ二つの国の間には壁があり、手を取り合っての生活なんて考えられなかった。