ワンネス

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そんな沙紀には天上界と通じている自負がある ワンネス体験から沙紀は5次元意識体と繋がったのだ 沙紀は大天使ミカエルの存在を身近に感じている 私は天使に守られている いつも天使が私の側にいる 天使は物質的な世界ではなく霊的な世界に属するが しばしば人間の目に見える形で現れたりするとしている。 日本正教会の自由主義神学リベラルでは 天使は擬人的表現であるとも捉えられ 天使が実在するとは必ずしも考えられてはいない 一方、福音派では聖書は天使の存在を当然としているのであって 人格をもった天使が存在する事は聖書の教理であると信じられている 沙紀は雲を見ては天使の姿に見え 部屋に羽根を見つければ天使の羽根だと認識している ある日、満天の空を見て突然思い出したのは 五次元の意識体が沙紀に入ってきたからである そういう運命だったのであろう 沙紀は科学的にそういう現象を説明した脳科学に心理学がある事も知っている (シミュラクラ現象) 人間の目には3つの点が集まった図形を人の顔と認識されるように プログラムされている脳の働き (パレイドリア) 心理現象の一種 視覚刺激や聴覚刺激を受け取り普段からよく知ったパターン 本来そこに存在しないにも関わらず心に思い浮かべる現象を指す 雲の形から動物、顔、物体を思い浮かべたり 月の模様から人や兎の姿が見えてきたり 録音した音楽を逆再生して速く/遅く再生して 隠されたメッセージが聞こえてきたりというものがある 意識が明瞭な場合でも 体験され対象が実際は顔でなく雲だという認識は保たれる ランダムデータの中に何らかのパターンを認識する アポフェニアの視覚的聴覚的事例 これは壁のシミを見て人の顔に見える 不思議な事なんてこの世には無いと3次元的解釈である 実際に経験した人間にしか実感はわかないし人に説明は不可能 それは次元の違う事象であるからであり いきなりアセンションした沙紀にも この現象を納得させるだけの説明をする術を持たない 悟りを得る為に厳しい肉体修行をしている求道者ではなく 昨日まで普通に社会で仕事して平凡に生きてきた女性がである (アセンション) 物質世界の三次元から新しい意識の次元に向かって上昇していくプロセス 沙紀に飛び込んできた意識体は 4次元を飛び越えて直ぐに5次元意識が沙紀の内部に語りかけてきた 次元とは場所ではなく意識のレベル 3次元とは一般的に物理次元と解釈されるが 物体の世界だけを意味するのではなく 3次元も意識の状態である(とても限定的で制限が多くなる) 3次元で暮らしていれば これが唯一の現実だと思い込んでしまいがちだが その時点でどれほど限定的な考え方を強いられていることになろうか 3次元とは頑固な信念と不自由なルールで生きており 固体同士はお互いに合体したり通り抜けたりすることは出来ないと考える。 すべては重力の影響を受け、物体は消失することなどなく 他の人の思考を読むことも出来きない。 二元論に対する強い信念があり ジャッジメントと恐れは至るところで生まれる 4次元とは、いわば3次元と5次元を結ぶブリッジであり 4次元を抜けていく中で5次元への準備をする 多くの人は実感のないまま4次元を過ごしているが 一般的に喜び、愛、感謝を経験する時 私たちは4次元の意識を経験していると言われる スピリチュアル・アウェイクニングやハートが開く経験をしている時の感覚 心が静かでクリアになっているときの感覚も同様 4次元において、時間はもはや直線軸上には無く 絶え間ない現在の感覚があり過去や未来には意識が行かなくなる 時間は柔軟であり拡大・収縮することが可能 現実化は4次元ではずっと早くなり 考えただけで素早くそれが現実となる。 5次元とは愛の次元と言われ完全にハートで生きる感覚 5次元にシフトし、そこに留まるためには 精神的・感情的な問題は全て解消しておく必要がある 恐れ、怒り、苦しみ、敵意、罪悪感などは この次元には存在しない 5次元での現実化はもはや瞬時 考えた瞬間それはそこにある 人々はテレパシーでコミュニケーションし 人の感情や思考を簡単に読み取ることが出来る 時間の感覚は劇的に異なる 夢の中で5次元を訪れる人も多い この躰は胃腸障害と腰痛、そしてエンパス体質とボロボロ 沙紀は今無事に生きている事だけでも奇跡であると考えている 私は守られている 沙紀は無宗教である。 家は浄土真宗曹洞宗だがお墓参りに行く時以外は意識した事が無い 更に宗教に対しては強烈な嫌悪感を持っている これだけ宗教に対して嫌悪している沙紀であったが 20歳の時に訪れたワンネス体験によってスピリチュアル世界に埋没し 天使の存在を身近に感じている キリスト教徒でもないのにと のち程、沙紀自身も笑いながら友達に話した 沙紀の宗教嫌いは祖父からの影響と生まれ育った環境要因が大きい 祖父が祖母と結婚する時に 祖母の母方の親がその宗教に入っており熱心な信者であった 祖父は祖母と結婚した後 その学会から退会する事に苦労した 祖父が生まれ育った環境はその宗教信者がその土地に密集しており 粗暴な人が多い地域だった 昭和の時代までは被差別的部分もあったと聞くが 表には出ずに闇に葬られた事件は令和の現在では いびつな歪が益々明るみになってきて そんな環境と土地で生まれ育った沙紀もこの土地が大嫌いであった 不幸な境遇の人に甘言を弄して信者を獲得するそのやり方 宗教に心を支配された人は自分では判断が出来ない人格を作り上げる そして自らを守る為に他者の信者獲得に翻弄する まるで不幸の手紙のような不の連鎖である 祖父は戦後の無秩序な世相でその人達の暴力的強奪とリンチを 日常的に目の当たりにしており、その宗教も信者も嫌悪していた 時代と土地の二つの地縁が祖父の宗教嫌いを作り上げた 権力と金儲けを現世での幸せと定義し 宗教を政治に結びつけ選挙時になると親しくもないのに まるでノルマがあるがごとく なりふり構わず羞恥心も無く知人に電話をかけてくるその団体 信者を獲得する事で天上界に行けると謳っているが 要は上納金が安くなるので 結局は自己の現世利益の為に動いているねずみ講のようなシステム 現世利益を追い求めお金と権力を希求し 拒否すれば地獄に堕ちると呪いをかけてくる信者 公職選挙法に違反しているにも関わらず 貴方の為だと盲信し他人様を囲み糾弾し愛の宗教だと嘘ぶく教義 一神教の愛の宗教も排他的で神に祈れば他宗教を殺戮していった 過去の歴史が雄弁に語っている 仏教も元は同じなのに宗派を分裂しては 罪も無い人を巻き込んで戦争を繰り返している 瞑想に耽っていると内省して次々と思いが浮かんでくるが キリがないのでもう終わろうと考えた 今日は早く寝なきゃと思い沙紀はベットから起き上がった 漸くお風呂に入って食欲ないけど食べる決意もした
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