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12月20日 mysteryな出会い
しんしんと静かな時間、肌寒さが少しずつ身に染みてくる冬。
私こと東雲宮古は今日の夕飯の材料を見に近所のスーパーをはしごしていた。
おばさんもとい千種さんは今日もパートで帰るのは遅くなるしせめてご飯くらいは用意しておきたい。
(長ネギが安いな、1本買って鍋にでもしようかな)
いやすき焼きもいいかもしれない、この前おばさんから貰った割下のレシピもあるし簡単だから手軽に作れる。
「手間暇は大事な日だけ、普段のご飯なんて簡単でいいのよ」なんてのはおばさんの口癖だ。
それなのに美味しいんだからなんか、ずるいと思う。
醤油とみりんも買い足した方がいいかもしれない、豆腐はまだ使ってないのが家にあるからパスするとして問題はお肉をどうしようか。
(あ、しゃぶしゃぶ用のお肉が安い。代用するのもアリかな)
最近硬いものが食べ辛いなんて言ってたし、これなら薄いから簡単に食べられる。
それ以外にも春菊や白滝なんかも欲しい、時間をかけて煮れば柔らかくできるしすき焼きにはありかも知れない。
(どうせなら白菜も欲しいかな、あと味変用にごまだれも)
そこまで考えてハッと我に返る。
まずい、歯止めが利かなくなりつつある。どうせだから肉団子も欲しいなんて思い始めてる。
被りを振って誘惑から身を離すべく、足早にレジへと向かう。
さっさと会計を済ませないと籠の中身がどんどん増えていきそうだ。
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