絶望から始まった物語

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ハッと目を覚まして飛び起きれば見知らぬ薄暗い部屋にいて、カーテンから日が差し込んでいるのが見えベッドから降りて窓に近寄りカーテンを開けて驚いた。 遠くに城下町が広がっていてファンタジーの中の街並みのように見える。窓を開けようとしたら背後からその手に手が重ねられて振り向けば俺を連れ出してくれた青年が居る。 「あ、お、おはよ」 「おはよう。今日は服を買いに行こう。その姿じゃまるで俺の召使いみたいだ」 「そ、それもそう…だな…」 俺の手より大きな手に胸がドキドキしてしまう。これはあの親子に犯され続けたから男にも反応してしまうようになってしまったのだろうか。 でも迷惑かけたくないし、俺は男だって言っておいて抱かれたいなんて言ったら引かれるだろうし…でも毎日毎日抱かれてたのに急に無くなるのも…いやこれが普通なんだ普通。 俺が一人で葛藤していればカーテンが閉められ振り向けば唇が軽く触れ合った。驚いて見ていれば手を引かれてベッドに座らされて青年は隣に座って俺を見つめる。 「無理強いはしない。どうしてほしい」 「俺…男だし本当の俺は可愛くもなければ美人でもないけど、嫌じゃなければその… 」 最後の言葉は聞き取れないほど小さくなったが、頭を撫でられて青年を見れば顎に手を掛けられて唇が重ねられる。彼女としたキスより、あの親子としたキスより甘くて蕩けてしまいそうなキスで、舌を絡められてなんとか応えたくて俺からも舌を絡めてゆく。
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