絶望から始まった物語

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目が覚めればそこは石壁で出来た部屋で明かりはロウソクの明かりだけで覗き窓の付いた木の扉だけが異質なように見える。肌に触れる感覚が冷たいと感じ、体を起こして体を見てみれば裸だったのだがそれより驚いたのは本来あるものが無くて無いものがある。 柔らかな豊乳がそこにはあり、男の象徴は無くなっている。これは…死に損ねて見ている夢…にしては床の冷たさがリアルだな。 自分の手を見てみてもいつもの手より小さくて華奢に見える。ふと首がなんだか重いなと思い触れてみれば冷たい感触がある。触れていれば鎖のようなものがあり、それは壁に繋がれていて扉まで行けないようになっている。 「なん…」 何でと言おうとした俺の声も愛らしい声をしていて、死んで別人の体に魂が入ったのかと思い始めていれば覗き穴から覗いてくる目と目が合った。すると扉が開き一人の男性が入ってきたが、まるでファンタジーの貴族のような服装の巨漢で、髪色は金髪で瞳は茶色でそこそこの歳はいってそうな感じがする。 「んふっ。近くの森で狩の途中に見つけたけど、いいもの見つけたよね」 俺の目の前まで歩いてきたかと思えば自身の雄肉を取り出して見下ろしてくる。サイズは小さめで太さもそんなに無い。見ていれば唇に押し付けられ俺は何を要求されているか瞬時に理解した。
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