絶望から始まった物語

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ここでの暮らしはどう例えたらいいのだろう。食事は硬くて味のないパンを半分ほどと冷えたスープが与えられ、風呂も入ることが出来ず排泄もペットシーツの上でさせられるのをまじまじと見つめられる毎日だ。 眠るのはあの冷たい床で、初日の吐瀉物は目が覚めたら無くなっていた。薄暗い部屋の中で男の存在だけが俺を認識してくれていて、一週間もすれば男が来るのを心待ちにするようになっていた。 そんなある日扉を開いて入ってきたのは見知らぬ青年で、毎日俺を抱いていた男にどこか似ているがスラッとしていて俺を見て鼻をつまんでいる。 「くさっ!親父毎日何してんのかと思ったら…でもまぁ…」 青年は上から下までジロジロ見てきて、鍵を取りだして俺の首輪の鍵を外して手首を掴んで立たせてくるが、俺の内腿に白濁が伝うのを見て舌打ちをしている。 部屋から連れ出されてもそこは石壁の通路が続いているだけで、その先の扉を開けると眩しくて目が開けていられないほどだった。だがお構い無しで引っ張られ、風呂場へ連れ込まれて冷たいシャワーをかけられる。 「やっ…!」 「僕自ら洗ってやるんだ黙ってろ」 タオルに石けんをつけて乱暴に体を洗われる。全身洗われ、その後シャワーで流しながら中の白濁も掻き出されて無意識に腰が揺れてしまう。
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