絶望から始まった物語

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改めて自分は男で異世界のような所に来て毎日犯されて少しのご飯を与えられて生活をしてきた事をポツリポツリと話しながら膝を抱える。 まだ中からごぷっと溢れ出し、膝に顔を埋める。もう俺を必要としてくれる人が居なくなってしまった…どうしたらいい…?こんな訳の分からない世界でどうしたら… 「ぇ…」 ファサと何かをかけられたかと思えば上着を脱いで肩からかけられていて、青年を見れば頬に触れられる。 「名前」 「なま…え…水無瀬誠。俺の名前…」 「マコト。良く耐えたな」 抱きしめられ、背中を撫でられて俺は無意識のうちに涙が溢れ出る。会社でも何やってもダメだし彼女も他の男とたぶんずっと前から浮気してたから、俺がダメで仕方なかったんだと思って自殺した。 逃げてばっかりで何も耐えれた事なんて無い。今だって俺を抱きたいと…必要としてくれるからと体を差し出していただけなのに…こんなに優しくしないでくれ… 「ぅ…ひっく…ごめ…なさっ、俺っ、俺ぇ…」 「謝る事は無い。行く所がないなら俺の部屋で良ければ来るか」 頭を撫でられて言われ、腕で涙を拭いながら小さく頷けば部屋を出てゆきしばらくして戻ってきたその手にはメイド達が着ていたメイド服がありそれが差し出された。
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