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 大学で、真矢は講義終わりや休み時間に何度もスマートフォンを確かめては落胆していた。  その様子に、一番親しくしている(かじ)が気づいたらしい。 「如月(きさらぎ)、どうしたー? なんか連絡待ってんの?」  訊かれても何も返せなかった。  彼は真矢の大切な友人で、信頼しているから全部打ち明けても構わない。ただ、何か一つでも口にしたら涙が零れそうだった。  曖昧に笑うだけの真矢を問い詰めることはしない梶に、心の中で手を合わせる。  鷹司からの返信が来ないのだ。既読はついているにもかかわらず。  つまり彼自身が無理だと考えてスルーしているということだ。「何こいつ、無茶言うなよ」と呆れられたのかもしれない。「男と二人で水族館て何の罰ゲームだよ」と?  やっぱりやめておけばよかったのか。
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