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──そうだよね。真剣になってるのは僕だけなんだ。せめてあなたの口からきちんと聞きたかったよ。
「だって結婚するんでしょ?」
「はぁ!? ちょ、ちょっと待って。結婚、って。真矢くん、いったい何のこと? 誰かと勘違いしてない?」
空惚けた鷹司の言動が理解できなかった。
「誤魔化さないでよ!」
「いや、誤魔化すとかじゃなくてさ。俺には何が何だか全然わかんないんだけど」
どうしてはっきり言ってくれないのか。そんな風にはぐらかされる方がよほど哀しい。
結婚するなら邪魔などしない。
今日は、……本当に申し訳なかったと思っていた。けれど、誓って今日限りにする。もう決めたから。
「鷹司さん、自分でそう言ったじゃん! パソコン買いに行ったときのメッセージで」
「……パソ、ってあの先週のアレ? ショップ見に行った時の」
呟きながら、鷹司がスマートフォンを取り出している。
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