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二人でいることにも馴染んで来て、勉強の合間にお茶を飲みながら雑談していたときだった。
「相良に『従弟の家庭教師しない?』って誘われたんだ」
家庭教師に来てくれたきっかけを訊いた真矢に鷹司が答えてくれる。相良 七海が従姉の名だ。
「『あんたなら真面目で浮ついたとこないし推薦できる』って。やっぱりさ、信頼されてるなら応えたいじゃない?」
さらりと口にする彼は、本当に誠実な人なのだろう。
そして七海が鷹司を紹介する際、母に「心当たりの女の子はみんな遠くて帰り遅くなっちゃうんです。誰でもいいってわけにいきませんから」と話していたのも思い出す。
「そうなんですね。七海ちゃんとは小さい頃から仲良しで、ホントのお姉さんみたいなんです。お母さん、……じゃない、母も七海ちゃんのお墨付きなら安心だからって」
「んー、まあ中にはろくでもない学生もいるからなぁ。お家に呼んで二人きりになるんだから、警戒するのは当然だよ」
もしかして彼のことを疑っているように取られてしまった!?
そんなつもりではなかったのに。
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