年下にも程がある

女の性欲が芽生えるのは何歳頃なんだろうか。

高校生で第一次発情期を迎えるが、セックスは気持ちいいものでは断じてない。ただ１０代の底なしの性欲に求められるまま性器を受け入れるだけである。こういうと女が完全に受け身で、男にやられているだけのように聞こえるがそうではない。男を求め物色し交尾を求めてはいる。ただ、そこに快楽がないだけで恋愛の一部としてセックスはきちんと役割を成している。

では、肉体的にセックスが快楽に変わるのは何歳頃なのだろうか。私は３５歳を超えた辺りからではないかと考える。
症状としては股間をわずかに撫でられただけで、愛液が湿るようになる頃。１０代の頃には確実に無かった症状だ。舐められた唾液を潤滑液替わりにしてようやく挿入できていたあの頃から考えると、とてつもなくセックスに前向きな体の変化である。あぁ、でもペニスの出し入れが始まればしっかり潤うので、人間の体は結局のところ入れる方も入れられる方も良くできた構造になっているのだなとも思う。

昼食は何を食べようかとぼんやり考えながら、窓の外へ視線を止める。食欲と性欲が絶えず脳内でクルクルと優位を入れ替えながら回っている。

「来ないかなぁ柚季(ゆずき)」

平日の昼間に来るわけがない。でも、もしかしたら創立記念日で学校が休みだったり、テスト期間中で昼で終わって帰ってきたりするかもという少しの期待を捨てきれない。捨てきれずに毎日、毎日、毎日期待して窓の外を眺めている始末。

私が１５歳の柚季(ゆずき)を妙な期待を込めて待つようになったのは、二か月前の木曜日から。