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「じゃあそれ食べ終わるまで待つから、セカンドお昼ご飯に行こうよ」
セカンドお昼ご飯。なんという素敵な響き。僕の妹は、天才かもしれない。
時代は流れ、令和を迎えた。
姉と父の関係は断絶したまま、母は退院することなく他界し、妹は結婚して一女を儲けた。
僕は今のところ、父とも、姉とも、妹とも、彼女らの娘たちとも仲がいい。
平和な日常が続いてくれれば言うことはないが、それなりにひと悶着は今も起こり続けていて、全員が離れて暮らしていても年中なにかと騒がしい。
その様子ときたら、僕が高校生~大学生だったあの頃と、うちの家族はまるで変わらない。
LINEで、「ちょっと聞いてよお!」と「なんやねんあいつらア!」の繰り返しである。
そういえば、今回の妄想コンテストのテーマは「特別な一日」だった。
なぜこんな話を書いたんだっけ。
そうそう、この言葉からいろいろ妄想はしてみたが、なぜか、あの階段でニンジンをかじっていた日のことしか頭に思い浮かばなくて、今回はこんな文章を書いたのだった。
どうやらあの日は、僕にとって、「家族」というものを考えるにあたり、とても特別な一日だったらしい。
終
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