特別な一日

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ご飯を食べる。 最近は代わり映えしない。 親戚から届いた蜂蜜をかけたパンとその脇に申し訳なさそうにいるほうれん草。少し離れたところに盛られた林檎。牛乳とお茶が机の端に置いてある。 そんないつも通りの食事を済ませ着替え、七時半前に家を出た。 今日はユウタとは出会わなかった。 出会う時と出会わない時の確率は半々くらいなのはいつものことだ。 「あ、そうだ」 と声を上げたのは自動販売機が視界に入った時だった。 ユウタがしていたように取り忘れのお釣りを手を入れて探そうと思ったのだ。 「あ」 手に冷たいものが触れた。 手を引っこ抜いてみると十円玉だった。 ユウタはラッキーと言っていたから金、月と当たるのはものすごく低確率なのだろうか。 いや結びつけてはいけない。いつもと確率は変わらない。 とりあえず十円玉をズボンのポケットにねじ込んでその場を後にした。
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