特別な一日

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八時前に学校に着くことができた。 自動販売機の前で金を漁っている子供がいるなんて誰かに見られていたら。 なんて思っていたら早歩きになっていた。 八時だとまだクラスの半分も登校して来ていない。いつものことだが陽キャのグループはまだ来ていない。先生が来る五分前くらいから騒ぎ出すのだ。 最も廊下で騒いでいる他クラスの女子たちはいるが。 ユウタも学校にやってきた。世間話をして席についた。 八時二十五分になるとチャイムが鳴った。朝読書の時間だ。 俺は最近読んでいる本『わかりやさい古文』という人間を野菜に見立てた小説を読んでいる。この奇想天外な発想が好きだ。 栞の挟んである頁を開くと読んだことのあるページだった。 間違えて入れただろうか。 ペラぺラとめくって目的の頁にたどり着く。 紫式部がムラサキキャベツになっている。訳が分からない。
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