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その後は、なぜか僕は「恋愛の話に興味のある人」と認識され、徳野幸人の小暮のぞみへの好意の話ははぐらかされ、詳しい理由を聞き出すことは叶わずに終わってしまいました。僕は非常に不甲斐ないと思いました。何も出来ずにこの修学旅行まで半年も過ぎてしまっているのです。クラス替えで小暮のぞみとクラスが離れる前に始末しなければ、より暗殺が困難になってしまうのです。それに、社長に何と言われましょう。いえ、何と言われても僕の心は申し訳ないのは変わりないのですが、社長がどう思われるのか、我が社の将来はどうなってしまうのか。僕はそれらの全てを背負っているのです。なんとしても小暮のぞみを暗殺しなければなりません。
ある日、小暮のぞみが1人で図書室で本棚を物色している様子を見かけました。これは良い機会です。いえ、このチャンスは、もう二度とやってこないでしょう。僕はすぐさま図書室に向かおうとしました。しかし、その瞬間、人の足音がしました。振り返ると、あの徳野幸人がいたのです。
「あれ、徳野、君?」
僕は思わず声をかけました。
「あ、小畑くん。部活?」
「いや、僕は特に予定はないけど、徳野君は?」
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