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私達はコスプレイヤーだったので、自然と衣装の話しにもなった。
「昔友達と3人でコスプレしてたんだけどね」
ユキちゃんが苦い顔でつぶやく。
「どうしたの?」
ユキちゃんは私以上に深いオタクなので、沢山仲間がいてもおかしくない。
けれど昔という単語を用いているから、すでにその2人とは疎遠になっているんだろう。
「衣装はその中の1人の子が作ってくれてたんだよね」
「すごいじゃん!」
私も裁縫は好きな方だけれど、ちゃんとした衣装を作ったことはない。
なんとなくの雰囲気だけなら、作れるのだけれど。
「でもその子『この子の分はちゃんと作ろう。こっちの子は適当でいいや』みたいな感じてさ。それで不仲になって3人がバラバラになちゃったんだよね」
あぁ、奇数で行動しているとどうしてもそういうことが起こってくる。
衣装作りの子からすれば、馬が合う合わないがあったんだろうな。
それでバラバラになるのはちょっとさみしいかもしれない。
この日ユキちゃんはずっと眉間にシワを寄せたままだった。
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