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その日はユキちゃんと食事をしていて、「カラオケに行きたい」と言い始めた。
私はカラオケは嫌いなので「行ってもいいけど歌わない」と断言していた。
聞き役に回るだけなら別に問題ない。
そう思ってついていってみたのだけれど……。
「いーあーるーふぁんくらぶー」
うまい!
ユキちゃんは思っていた以上に歌がうまくて聞いていても楽しめた。
「ツトムと一緒にカラオケに行くと採点できなくてさぁ」
どうやら採点を取り入れたいからカラオケに誘ってきたらしい。
ふぅん。
と思いながら私は注文していたおつまみをつまむ。
歌はうまいとおもったけれど音程はそれほど正確ではないようで、なかなか90点台が出ない。
得点なんて気にしていたら歌えないだろうに。
そう思いながら2時間ほどが経過した。
私も飲み食いしていた分だけは支払わないと。
そう思って財布を取り出す。
すると……。
「半分で1500円ね」
「は?」
半分?
私歌ってないのに半分?
「なんかこの人歌わなかったんだよねぇ」
は?????
私ここに来る前に歌わない宣言しましたけど?
もしかしてユキちゃん、金にがめついタイプ?
ちなみに私が半分支払ってもニヤついた笑みを浮かべるばかりで「ありがとう」も「ごめんね」もなかった。
もしかしてユキちゃん、お金に関してかなりルーズ?
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