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「その、デバターの魂? をスレイは受け継いでるから、コン・ティンを封じられるんだろ?」 「……体、デバターに明け渡す、イヤ」 「ダメなの?」 「ダメ! デバターになる、スレイ、消えちゃう」 「そうなの?」 「だから一緒に戦ってくれる人、探してた」 「え?」 「だから、コン・ティン、封じてくれる人、探……」 「え、オレはムリだよ?」 「おねが」 「ムリムリムリー! コンティンって、妖怪だっけ? 魔物? どっちにしても戦うなんて無理だって!」  オレは首をブンブン振った。スレイが両手でオレの顔をはさみ、すがるような瞳で見つめてくる。オレはスレイから目をそらした。そらした視線の先、スレイの背後には、タ・プロームの遺跡がのしかかっているように見える。ガジュマルの木の根が蛇のように遺跡に這っている。さっきまではただの神秘的な遺跡だとしか思っていなかったのに、今は遺跡に張り巡らされた血管みたいで不気味に感じる。 『キャハハハハハ』遺跡の中から笑い声が響いてきた。
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