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コン・ティンが息を飲んで後ろに飛びのいた。オレは側転してコンティンに近づくと、コン・ティンの首にハイキックを放ち、喉元ギリギリで止めた。
さっき絞められた喉がひりつくけど、かまうもんか!
「お前を刈ったぞ! 次は当てる」
「コン・ティン、お前の負けだ。ひれ伏せ!」鉈を構えたスレイが、隣で命じた。
コン・ティンはしばらくオレを見つめていたが、頭を垂れた。両膝をつき、胸の前で両手をクロスさせる。
『我が主』
「え……。いや、えーと、主っていうほどじゃ……」と口ごもると、スレイが飛びついてきた。
「やったぁ!」
「スレイ! 首、大丈夫?」
「うん。ありがと。ケントのおかげ」
「あの、デバターにのっとられなかった?」
「完全には起きなかった。ダイジョブ」
「そっか。よかったな」
「ケント、教えてくれなかった」
「え? なにを?」
「あの技、なに? 聞いてないよ! ケント、弱いと思って……」
「デバターになって、助けようとしてくれた?」
「うー」
スレイはほっぺたをふくらませてそっぽを向いた。つま先で反対側の足のふくらはぎをこすってる。
――照れてる。可愛い
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