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――しまった!  亮の話をまったく聞いてなかったから、なにが「な?」なのか、さっぱり分からない。でも多分、亮の好きなYouTubeの話だろう、と検討をつけて「あー、うん、そうだな!」と適当に相槌を打った。 「なんだよ、今、聞いてなかっただろー」 「うわ。ソッコーバレた。実は、ちょっと気になることがあって」 「最近、ケント変わったよなァ」 「え」  ドキッとする。タプロームから帰ってくると、行っていた時間がなかったみたいに、こっちの時間が再開する。正確には、感じない位の時間は過ぎているみたいだけど、他の人に気づかれるほどの時間じゃないことは確かだ。  だけど、タプロームで起きたことは全部、記憶には残っている。だからもしかしたら体験したことがオレを変えているのかもしれない。  オレが考え込んだのを見て、亮がオレの背中をポンと叩いた。 「あ、いや、悪い意味じゃなくて。なんていうか、キリっとした表情する時があるんだよなー」 「前は?」 「ボヘッとしてた」亮はニカッと笑った。 「おーいー」ジャンプして亮に肩をぶつける。 「あはっ。それは冗談。でもなんかあった?」  ドキッとした。亮はおちゃらけているようで、昔からスルドイところがある。
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