71人が本棚に入れています
本棚に追加
亮が頭を抱えた。
「あ、そうだ。欠片は?」
亮が握りしめていた手を開かせ、欠片をつまみ取る。手のひらに乗せて眺めていると、欠片はカタカタッと揺れて崩れ白い煙になって、オレの手の中にもぐって消えてしまった。
「なっ、なんだ?! 大丈夫か?」
亮がオレの手を引っかいて欠片を取りだそうとしたが、すでに跡形もない。グーパーと動かしてみても違和感も感じない。オレは亮と目を見合わせた。
――これはもしかして、しばらく戻れないかも
「スレイ、アリババパンツ、亮の分もある? 亮に説明するよ。時間なら、いっぱいあるから!」
オレは二ッと笑うと、亮の肩に手を回した。
最初のコメントを投稿しよう!