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「んー、欠片が何か言ってきてるみたいだけど、よく聞こえないし、眠いのに邪魔してくるから、うるせえって怒鳴ると声が消えるんだよな。だけど、でっかい寝言みたいだから、隣の部屋で寝てる姉ちゃんも驚いてた」
「頭の中がぼやあっと、霧がかかってみたいにならないのか?」
「ならないよ。ちょっとうるさいだけ」
「じゃあその声、なんて言ってるんだ?」
「ええっとぉ……忘れた!」
『…………け……』
「あ」
「どした?」
「今も聞こえた、かも」
「うげっ! ケント、お前、大丈夫か? しっかり自分を持てよ。お前が暴れたら止められないぞ」
「ヘーキだって。そうだ。聞いてみようぜ。何が言いたいのか」
「えっ! 話しかけるつもりか? 危ないから、やめろって!」
「ヘーキ、ヘーキ! おい! お前、何が言いたいんだ?」
『……せ……さが……アム……タ……を探せ!』
「アムなんとかを探せって言ってる」
「アム……?」
亮が首をひねる。
「あっ! もしかして、アムリタ!」スレイが目を見開いて叫んだ。
「アムリタ? アムリタってなんだ?」
『アムリタとは、魔物と神の探しものです』
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